Kyoto JAPAN

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House M

2017|Residencial|集合住宅ワンフロア全面改修

ワンフロア1戸の集合住宅の3階に位置する住宅の全面改修。
1階の階高が高いため、周辺の3階建の建築とは半層程度ずれて、見晴らしが良い。一方で、住まい手は、開放的というよりは、適度なプライバシーが確保された空間を望んでいるように感じられた。夫婦と娘の3人で過ごす家である。スピーカーや音響機器、楽器など音楽に関する多くの機器を所有し、絵画、家具、日用品など、多くの”もの”に囲まれて生活していた。それぞれの”もの”は、豊かな趣味の時間を想像させ、暮らしをともに作る大切な友達のように思われたが、空間に溢れ、居場所を見失っているようでもあった。
多忙な生活の中に、ひととき、家族との親密で潤いのある時間を作る。そのためにはまず、空間と”もの”を適切な関係に調整し直すことが必要であると考えた。小さな部屋の集合体であったプランを一続きの回遊できるプランに変更し、ドアを開けて次のに移る意識的な行為を誘発する状態から、無意識にも次の行動に移ることのできる状態へ変化させたいと考えた。
独立した壁は”もの”の拠り所になり、小室に分断しない平面計画は、”もの”が小さな空間の許容量を超えてしまうことを防ぎ、配置に融通性をもたらす。窓、天井設備のためのスリット、キッチンカウンター、その他の造作家具のような、壁、床、天井に対して副次的な要素は、空間と”もの”を、良き友人関係にするための手がかりになるようデザインしている。色や素材、ディテールを調整し、”もの”と空間の間を親和的に繋ぐ持たせる役割を担わせる。多くの”もの”や空間的要素、外部の風景は、形、寸法、素材、色、それらが持つ意味など様々なレベルで、友だちの友だちは友だち、のように自然発生的なネットワークを作り、住まい手も、そのゆるやかなつながりに接続しながら、生活を変化、更新させていく。
所在地
京都市
主用途
住宅
規模
改修面積:128.13㎡
設備設計
創見社設備設計
照明計画
maxray
施工
サクジ工務店
写真
矢野紀行写真事務所
改修前は外壁沿いの個室となっていたキッチンを配管ルートが許す範囲でLDK中央に移動。キッチンカウンターはテーブル型とし、設備というより家具に近づけようとしている。天板はデュポンコーリアン、脚はスチール角パイプ。地袋はチェリーにて製作。

改修前は外壁沿いの個室となっていたキッチンを配管ルートが許す範囲でLDK中央に移動。キッチンカウンターはテーブル型とし、設備というより家具に近づけようとしている。天板はデュポンコーリアン、脚はスチール角パイプ。地袋はチェリーにて製作。

PC操作や物書きのためのデスク。
デスク上部は既存開口部の前に上吊りの建具を設置。表面仕上げはガルバリウム鋼板張りとし、今後、他の壁面に掛けられる絵画やパネルと親和性を持たせようとしている。

PC操作や物書きのためのデスク。
デスク上部は既存開口部の前に上吊りの建具を設置。表面仕上げはガルバリウム鋼板張りとし、今後、他の壁面に掛けられる絵画やパネルと親和性を持たせようとしている。

空調吹出口、吸込口、スポットライトは天井スリット内に配置し、天井にすっきりとした面を広く残している。

空調吹出口、吸込口、スポットライトは天井スリット内に配置し、天井にすっきりとした面を広く残している。

TVボード周りには黒物家電や木箱状の家電、家具が配置される。天井スリット、TVボードの黒色、その他の木部は物が置かれることを想定して色や素材を選定している。

TVボード周りには黒物家電や木箱状の家電、家具が配置される。天井スリット、TVボードの黒色、その他の木部は物が置かれることを想定して色や素材を選定している。

床面はオークのラスティック無垢フローリング張り、カウンタースツールはオーク材、座面のファブリックは今後置かれるソファと合わせて決定している。
各部の材料、色は他の何かと共通させつつ少しずらす方針で、全体としてひと続きの調和を作ろうとしている。

床面はオークのラスティック無垢フローリング張り、カウンタースツールはオーク材、座面のファブリックは今後置かれるソファと合わせて決定している。
各部の材料、色は他の何かと共通させつつ少しずらす方針で、全体としてひと続きの調和を作ろうとしている。

主寝室、ウォークインクローゼット。規制サッシの框を内装壁により隠し、風景と室内の距離感を近づけている。

主寝室、ウォークインクローゼット。規制サッシの框を内装壁により隠し、風景と室内の距離感を近づけている。

TVボードの背面にキャビネットを造作。TVボード内部、キャビネット内部は繋がっており、多くのアンプやデッキをTVボードから引き出すことなく背面より配線替えをすることができる。

TVボードの背面にキャビネットを造作。TVボード内部、キャビネット内部は繋がっており、多くのアンプやデッキをTVボードから引き出すことなく背面より配線替えをすることができる。

キッチン背面の収納部でエントランス周りとリビングをやわらかく分けながら、物理的距離を感じられる視線の抜けを残している。

キッチン背面の収納部でエントランス周りとリビングをやわらかく分けながら、物理的距離を感じられる視線の抜けを残している。

リビングより個室への視点。約3.5階程度の高さに位置するため、窓からは周辺の3階建て建築物の屋根が見える。

リビングより個室への視点。約3.5階程度の高さに位置するため、窓からは周辺の3階建て建築物の屋根が見える。

天井高いっぱいの建具と独立した壁によるプラン。回遊性を持たせて、ひと続きの空間とし、キャビネットや絵画など、もともと持っていた家具、物品が独立した壁を背景にまとまりを持って配置できる構成としている。

天井高いっぱいの建具と独立した壁によるプラン。回遊性を持たせて、ひと続きの空間とし、キャビネットや絵画など、もともと持っていた家具、物品が独立した壁を背景にまとまりを持って配置できる構成としている。

洗面カウンターは、ガルバリウム鋼板張り。鏡面は、スライド金物を用いて既存ジャロジー窓の前に重ね、通風とメンテナンス性は保持。

洗面カウンターは、ガルバリウム鋼板張り。鏡面は、スライド金物を用いて既存ジャロジー窓の前に重ね、通風とメンテナンス性は保持。